世界について
額縁の世界
この世ではないどこかに存在する世界。
セレーネと四方の国、合計5つの国から成る。
四方の国の外側は異形の棲む魔界が広がっているとされ恐れられている。
川を国境としているが、セレーネとアルフェッカの間の国境は例外的に人間の手で引かれている。
-セレーネ-
額縁の世界の中央に位置する。
国境を川ではなく城壁を用いて人工的に引いた唯一の国。
中央には竜神が棲むという伝説の語られる湖があり宮殿が浮かんでいる。
温暖で過ごしやすい気候。資源が乏しく農作にも向かない土地だが、魔法で物質を変化させたり動植物の育つ環境を人工的に作ることによって国民の生活が保たれている。
魔法が非常に発達しており、生活の基盤であるとともに武力として重要視されている。
「月桂館」と呼ばれる結社が王家の支援の下で魔法の教育や研究等を行なっている。
-カペラ-
セレーネの北に位置する国。
寒冷な気候で土地の多くが雪と氷に覆われており、人間が住むのはごく一部の地域のみ。北には白く険しい山々が連なる。
室内音楽が盛んで劇場が多く、毎晩演奏会や歌劇が行われている。
ガルデニアという一族の邸が首都メンカリナンの外れに存在する。邸では一年を通して梔子が咲いている。ガルデニア家は「母の心臓」を母から娘へ代々受け継ぐ一族と言われる。
五色に輝く糸を雪から紡ぐ魔女が山奥に住んでいるという伝説がある。
-珠白-
セレーネの東に位置する国。
豊かな水と土に恵まれ農業が栄えている。季節の変わり目は雨が多い。夏は蒸し暑く冬は雪が深く積もる。水害が多いため様々な方法で治水が試みられてきた歴史がある。
古くは鍛造業が栄えたが現在は衰退している。金属や鉱石を用いた伝統工芸は今でも受け継がれている。
文月の新月に行われる祭礼では少年を氷の船に乗せ蛇神に捧げる。かつて生贄は巫祝の家系の少年の中から占いによって選ばれていたが、数年前から巫祝でも珠白の民でもない少年に代わられた。
-アルフェッカ-
セレーネの西に位置する国。
海辺に色鮮やかな美しい運河の町が広がる。5つの国の中で最も温暖な気候だが湿度が低いため過ごしやすい。雨が少なく晴れた日が多い。
町の中心の広場には天界へ続くと言われる高い塔が聳えている。
巫女の三姉妹の長女がこの塔に籠り神霊を憑依させて語る。その言葉を次女が竪琴の演奏と歌で民に広く伝える。
三女は海と地上を行き来し海神に仕える。アルフェッカでは死者は海に還ると考えられている。彼女は亡骸と舞を海神に捧げ富を地上に持ち帰る。
-ミラ-
セレーネの南に広がる極夜の砂漠。
永遠の夜であるため一年を通してカペラに匹敵する寒さ。刻々と地形を変化させるという不思議な性質があり、一度立ち入れば砂漠から出ることは永遠に叶わないと言われている。
地形の変化には規則性があることが分かっているが具体的にどのような変化をするかはまだ明らかにされていない。魔女が道楽で研究している。一頭の巨大な蝶が生息しており、その翅の模様は砂漠と同じ周期で変化している。